「やっぱり自分の考えが正しかった！」
そんなふうに思ったことはありませんか？
実はその裏には確証バイアスという心理の働きがあります。
確証バイアスとは、自分にとって都合のいい情報だけを集め、反対の情報は無視してしまう思考のクセのことです。
この記事では、確証バイアスの仕組み、身近な具体例、デメリット、そして克服の方法までを分かりやすく解説します！
確証バイアスに陥ってしまうと、本来できるはずの正しい判断ができなくなってしまいます。視野を広げ、未来を変えるためにも確証バイアスから脱却しましょう！
確証バイアスとは？
定義
確証バイアスとは、自分の信じていることや期待していることを裏付ける情報ばかりを集めてしまう傾向のことです。
自分の考えとは異なる情報は軽視したり見なかったことにしてしまいます。
自分が買いたい商品のレビューを見るときはまさにこんな感じですよね。“買う”という行動の背中を押してくれる情報にはしっかり目を通しますが、マイナスな意見には目を背けてしまいますよね…。僕も何度も「もっとしっかりマイナスの意見も見ておくべきだった」と後悔したことがあります。
なぜ起こるのか？
人間の脳には「エネルギーを節約したい」という性質があります。
「自分の信じていること」を疑うより、「やっぱり正しい」と思う方が安心できるのです。
つまり、確証バイアスは私たちが無意識に抱える“心の省エネ”とも言えます。
確証バイアスの具体例
日常生活での例
確証バイアスは、日常のあらゆる場面で顔を出します。
たとえば、健康やダイエットに関する情報を例にしてみましょう。
「〇〇を食べると痩せる」と聞くと、それを信じたくなり、SNSやテレビでも自分の考えを裏付ける情報ばかり探してしまいます。
「実は効果が薄い」という研究結果は目に入っても「これは例外だろう」とスルーしてしまいます。
ビジネスでの例
ビジネスの現場では、確証バイアスが意思決定に大きな影響を与えます。
たとえば新規プロジェクトを進めたいときを例にしてみましょう。
リーダーが「これは成功する！」と思い込むと、成功事例やポジティブなデータばかりを集め、リスクに関する情報は軽視してしまいます。
その結果、冷静なリスク分析を怠り、失敗の確率が高まることもあります。
人事評価や採用面接でも顕著です。
最初に「この人は優秀そう」と感じると、その印象を裏付ける発言や行動ばかりを評価し、弱点や懸念点を見過ごしてしまいます。逆に「ちょっと頼りない」と思った候補者の長所は目に入らなくなります。これは「第一印象を強化する」典型的な確証バイアスです。
人間関係での例
人間関係における確証バイアスは、誤解や摩擦の大きな原因となります。
例えば、「あの人は自分のことが嫌いだ」と思い込んでいると、たまたま挨拶されなかっただけで「やっぱり嫌われてる」と解釈してしまいます。
本当は相手が忙しかっただけかもしれないのに、自分の思い込みを裏付ける行動ばかりを強調してしまうのです。
恋愛や夫婦関係でも同じです。
「パートナーは私を理解してくれない」と一度思い込むと、理解してくれた場面は見逃し、不満を感じた出来事ばかりが記憶に残ってしまいます。結果として、関係性が悪化してしまうことはよくあります。
確証バイアスのデメリット
判断を誤るリスクが高まる
確証バイアスは「自分に都合の良い情報だけを信じる」ため、冷静な判断を妨げてしまいます。
例えば投資や買い物の場面では、良い情報ばかりを拾って「絶対に大丈夫だ」と思い込み、リスクを無視して大きな損失を出す可能性があります。
ビジネスにおいても「成功事例ばかりを参考にした企画」が失敗するのは、まさにこの確証バイアスのせいです。
参考にした企画が成功を収めているのは、その企画におけるリスクをしっかり把握しているからです。いいとこどりだけで成功できる程、残念ながら世の中は甘くありません。
成長や学びの機会を逃す
自分の考えを裏付ける情報だけに触れていると、反対意見や新しい知識に出会うチャンスを自ら手放してしまいます。
成長に必要なのは、自分にとって耳の痛い情報や苦手分野への挑戦です！それを避けることが、可能性を狭めるデメリットになってしまいます。スポーツの分野においても、苦手を避けてきた子は必ずその苦手でつまずき後悔しています。自分の弱点を知っておくというのは成長において欠かせない要素です。
誤情報や偏見が強化される
確証バイアスは、SNSやインターネット時代に特に大きな問題を引き起こします。
自分の考えに合う情報ばかりがタイムラインに流れてくるため、あたかも「世の中の大多数が同じ意見だ」と錯覚してしまうのです。
結果、誤情報や偏見を強めてしまい、対立や分断を生むことにもつながってしまいます。
確証バイアスを克服する方法
反対意見にあえて触れる
確証バイアスを克服する第一歩は、「あえて反対意見や異なる視点に触れる」ことです。
人は無意識に、自分に都合の良い情報ばかり集めてしまいます。だからこそ、意識的に「反論」や「逆の立場の意見」を探す習慣を持つことが大切です。
例えば、ネットで商品を調べるときは良いレビューだけでなく、★1や★2の低評価レビューも読んでみましょう。
すると「確かに人によっては合わない点があるんだ」と冷静に判断することができます。
また、ビジネスで企画を検討するときは、あえて「失敗事例」や「懸念点」を探すことで、リスクを見落とさずに済みます。
反対意見に触れるのは気分が良くないかもしれませんが、それが「思考の幅を広げるためのトレーニング」になります。
データで考える
確証バイアスは「感覚」や「思い込み」に基づいて判断してしまうと強まりやすいものです。
そこで有効なのが「数字や事実に基づいて考えること」です！
例えば、「最近この商品が人気らしい」と思ったら、実際の販売データや市場調査を見て裏付けを取り、「この方法は効果があるはず」と思ったら、実験や統計データを確認するということをしてみましょう。
そうすることで、感情に流されず客観的な数値で考えることができ「思い込みのフィルター」を外すことができます。
日常生活でも体重や睡眠時間をアプリで記録するだけで、「自分はちゃんと健康管理できている」と思い込んでいた認識が覆されることもあります。
他人に相談する
人は誰でも、自分の思考のクセには気づきにくいものです。
そこで有効なのが「第三者に相談する」ことです！
友人や同僚に意見を聞くことで、「自分では気づかなかった視点」を得られます。
特にビジネスの場では、異なる部署や立場の人に相談すると、新しい発想やリスクの指摘を受けられることが多いです。
また、日常生活でも「これって本当に正しいと思う？」と身近な人に聞くだけで、自分の確証バイアスに気づくきっかけになります。
他人の視点を借りることは、思考の偏りをリセットするうえでとても大切です。自分に自信がある人ほど他人に意見を求めません。全ての選択で正解を選べる人は存在しません。時には周りの人の意見もしっかり聞きましょう！
今回の勝ち組への進捗
確証バイアスは、誰もが無意識に持っている思考のクセです。
- 自分に都合のいい情報ばかり集めてしまう
- 日常生活や仕事の判断をゆがめる
- 克服には「反対意見」「データ」「相談」が有効
「自分の考えが正しい」と思ったときこそ、立ち止まって別の視点を取り入れることが大切です！
そうすれば判断力が高まり、人間関係や仕事の成果にもプラスに働きます！
確証バイアスからの脱却は勝ち組へ近づくための大きな一歩となります！
