後転で手で押せない原因と練習法!大人も子供もできるコツを解説
本記事にはプロモーションが含まれます
こんにちは!「スルースのVictory Academy」のスルースです!
マット運動の授業や、大人になってからの「やり直し体育」で後転(後ろ回り)に挑戦してみたものの、いざ回ろうとすると手で地面を強く押せなくて、首がグシャッと潰れてしまう……そんな苦い経験はありませんか?
実は僕も、昔は回転の途中で動きがピタッと止まってしまい、どうしても綺麗に起き上がることができませんでした。
「腕の力が足りないのかな?」と悩んだこともありましたが、実はそれ、単純な筋力だけの問題ではないことが多いんです。
子供だけでなく大人の方でも、後ろに回るという非日常的な動きに対する恐怖心や、長時間のデスクワークで固まった体の硬さが邪魔をして、スムーズに回れないというのは本当によくある悩みなんですよね。
この記事では、なぜ肘が開いて力が逃げてしまうのかというバイオメカニクス的な原因から、自宅の布団やクッションを使って今日からできる簡単な練習方法まで、詳しくお話ししていこうと思います。
これを読めば、きっと「なるほど、そうだったのか!」と体の使い方のヒントが見つかるはずです!
後転で手で押せない主な原因を解説

まずは、どうして後転の後半、つまり一番大事な「起き上がり」の局面で手が潰れてしまうのか、そのメカニズムについて一緒に考えていきましょう。
「とにかく腕立て伏せをして筋力をつけなきゃダメだ」と思われがちですが、実はそれ以外にも、関節の角度やタイミング、そして心理的なブロックが大きく関わっていることが多いんです。
ここでは主要な原因を5つに分けて、かなり深掘りして見ていきます!
後転で肘が開くとなぜ回れないのか
後転ができない大きな理由、そして非常に多くの方が無意識に陥っているミスがあります。
それがこの「肘が開いてしまう」という現象です。
マットに手をついた瞬間、脇がガバッと外側に開いてしまっていませんか?
厳しい言い方になってしまいますが、肘が開いている状態だと、どれだけ筋力トレーニングをしても成功率が下がりやすく、結果として首や手首に負担がかかりやすくなります。
なぜなら、これは筋力の問題というよりも、「力が伝わるルートが物理的に効率を失っている」状態だからです。
ここでは、なぜ肘が開くと不利になるのか、その力学的・解剖学的なメカニズムを徹底的に解明します。
1. 「力のベクトル」がなくなってしまう(柱の原理)
少し想像してみてください。
屋根を支える「柱」が、地面に対して垂直ではなく、斜めに傾いていたらどうなるでしょうか?
当然、重さに耐える力は弱まってしまいますよね。
後転における腕もこれと同じです。
床を「真下」に押すことができれば、その反作用で体は「真上」に持ち上がります(作用・反作用の法則)。
しかし、肘が外に開くと、腕の筋肉(上腕三頭筋)が出す力の方向(ベクトル)が、床に対して垂直ではなく「斜め外側」に逃げてしまいます。
一生懸命押しているつもりでも、そのエネルギーの多くは体を持ち上げるためには使われず、ただマットを横に引き裂くような力として分散されてしまうのです。
2. 肩がすくんで「頭の通り道」が狭くなる
解剖学的な視点からも、肘のフレアアウトはデメリットを生みます。
脇が開くと、連動して肩関節が内側に入り込み(内旋)、肩が耳に近づくように「すくんで」しまいやすくなります。
肩がすくむと、首が埋もれて短くなったような状態になります。
後転の後半は、手で体を持ち上げて「頭を抜くスペース」を作らなければならないのですが、肩がすくんでいると物理的にそのスペースが確保しづらくなります。
結果として、自分の頭が邪魔をして回転がストップするか、あるいは首が詰まって圧迫されてしまうのです。
「首が痛い」と感じる人の多くは、このパターンの失敗をしている傾向があります。
3. なぜ無意識に肘が開くのか?(防衛本能の罠)
では、なぜ多くの人が肘を開いてしまうのでしょうか。
それは、人間が本来持っている「顔を守ろうとする防衛本能」が関係しています。
後ろに回る恐怖心があると、無意識に手で顔をカバーしようとしたり、少しでも広い面積で着地しようとしたりして、手のつく位置が「顔の横」ではなく「顔の前」や「頭より遠く」になりがちです。
試しにやってみるとわかりますが、手を顔の前や遠くにつこうとすると、骨格の構造上、どうしても肘は外を向いてしまいます。
つまり、恐怖心からくる不適切な手の置き場所が、必然的に肘を開かせてしまっているのです。
ここが改善のポイント!
「脇を締めなさい」と言われても、なかなか直らないことが多いです。意識すべきは脇ではなく「肘(ひじ)の先端」です。
手をつく瞬間、「肘の先端で天井を突き刺す」あるいは「肘の内側(採血する部分)を自分の顔に向ける」というイメージを持ってください。
この形を作ると、骨格が安定し、弱い力でも効率よく床を押せるようになります。
後転で首が痛い原因と怪我の予防策
「後転をすると首が痛いから怖い」「練習した翌日は首に違和感がある」……そんな声を、指導現場でもよく耳にします。
痛みへの恐怖心から、ますます体が固まってしまう悪循環に陥っている方も多いのではないでしょうか。
後転で出る首の痛みは、単なる筋肉の張りだけとは限らず、動き方や負担のかかり方が影響していることもあります。
つまり、「今のフォームや準備のままだと負担が大きいかもしれない」というサインだと受け取ってください。
ここでは、なぜ首に強い負荷がかかってしまうのか、そのメカニズムと、怪我のリスクを最小限に抑えるための重要なポイントを解説します。
1. なぜ首の付け根あたりに負担がかかるのか?
多くの方が痛みを訴えやすいのが、首の付け根あたりです。(※痛む場所や原因は個人差があります)。
理想的な後転では、両手と背中でアーチを作り、首はあくまで「空間に浮いている」か「軽く触れる」程度の通過点となるのが望ましい状態です。
しかし、手で押せずに床についた手が潰れてしまうと、頭だけが支点となります。
この瞬間、体重の多くと、回転によって生じた遠心力が、首周辺に集中します。
これを物理学的に言うと「応力集中」の状態です。
首を圧迫しながら負荷がかかる状態は、安全上好ましくありません。
2. リスクの高い「過屈曲」と回転不足
さらに注意が必要なのが、回転スピードが遅い場合です。
勢いがあれば一瞬で通過できる「首への負荷がかかるポイント」に、勢いがないと長時間留まることになります。
体が逆さまになり、腰が頭の真上に来た状態で動きが止まると、重力によって顎が胸に強く押し付けられます。
これを「過屈曲(ハイパーフレクション)」と呼びます。
この深い屈曲が、靭帯や筋肉を強く引き伸ばす原因となります。
もし「グキッ」という音や強い違和感が出た場合は、その時点で中止してください。
痛みが続く、しびれが出る、動かしづらいなどがある場合は、医療機関に相談しましょう。
3. 痛みを回避するための「3つの重要ルール」
今日から、以下のルールを意識してください。無理をしないことが、あなたの体を守ることになります。
| ルール | 実践内容とポイント |
|---|---|
| ルール①:痛みが出たら即中止 | 「あと一回だけ」は絶対に禁物です。違和感を感じた時点でその日の練習は終了し、ストレッチや基礎トレに切り替える勇気を持ちましょう。 |
| ルール②:平地で無理をしない | 首に不安があるなら、平らな場所で無理に回らないこと。「坂道(傾斜)」を使えば、首に体重が乗る前に体が通過しやすくなります。 |
| ルール③:大人の準備運動 | デスクワークで固まった首を、前後左右だけでなく「回旋」も加えてほぐします。めまいを防ぐため、「痛みのない範囲」でゆっくり行うのが鉄則です。 |
【重要】こんな症状が出たら専門機関へ
可能性があります。自己判断で練習を続けず、必ず整形外科などの専門医の診察を受けてください。- 腕や指先に「ビリビリ」としたしびれが走る
- 首を動かすと特定の角度で強い痛みが走る
- 手に力が入りにくい、箸やボタンが扱いにくい
大人の後転におけるコツと体の硬さ

「昔は簡単に回れたのに、久しぶりにやってみたら亀がひっくり返ったようになって動けない……」
これは大人の「やり直し体育」あるあるです。
多くの大人は、この原因を「筋力が落ちたからだ」と考え、腕立て伏せなどのトレーニングを始めようとします。
しかし、大人が後転に苦戦する大きな原因の一つ、それは筋力低下だけでなく、「柔軟性の変化(体が硬くなっていること)」にあります。
子供の体は柔軟性に富んでいますが、大人の体は長年の生活習慣で関節の可動域が狭くなっていることがあります。
ブロックのように固まった体ではスムーズに転がりにくいのは、物理的に自然なことです。
ここでは、体が硬い大人でも物理法則を味方につけて回るための、論理的なアプローチを解説します。
1. 物理法則が証明する「回れない理由」
少し難しい話をわかりやすく説明すると、回転運動には「体が小さく丸まるほど、回転スピードが上がる」という原則(角運動量保存の法則)があります。
フィギュアスケートのスピンで、手を広げるとゆっくりになり、手を体に密着させると高速回転になるのを見たことがありませんか?あれと同じです。
体が硬い大人は、背中を丸めることが難しく、背骨が「板」のように伸びてしまいがちです。
さらに股関節が硬くて膝を抱え込めないこともあります。
つまり、構造的に「手を広げたスピン」に近い状態になってしまっているのです。
これでは、勢いよく飛び込んでも、背中がついた瞬間にブレーキがかかりやすく、一番苦しい逆さまの状態で静止してしまう原因になります。
そこから腕力だけで体を持ち上げるのは、非常に大きな力を必要とします。
2. 大人の課題!「手首」と「背中」の可動域
特に大人の後転を阻むのが、以下の2点の可動域制限です。
- 手首の背屈制限(手首が反りにくい): パソコン作業などで手首が固まっていると、手のひらをベタッと床につけることが難しくなります。
掌底(手のひらの付け根)が浮いて指先だけで支える形になり、力が入りにくくなります。 - 胸椎の伸展固定(背中が真っ直ぐすぎる): 姿勢を意識しすぎている人や、背中の筋肉が張っている人は、背中を「Cの字」に丸めるのが苦手な場合があります。
背中が平らだと、マットに接地した瞬間に衝撃が走り、回転エネルギーがそこで失速しやすくなります。
3. 体が硬い大人でも回りやすくなる修正法
「じゃあ、体が柔らかくなるまで練習できないの?」と思われるかもしれませんが、安心してください。
体が硬いなりに、物理的な不利をカバーするテクニックがあります。
| 裏ワザ | 実践内容とメリット |
|---|---|
| テクニック①:足を広げて「カエル」になる | 膝を閉じて回るのが窮屈なら、最初から膝を左右に開いて(あぐらやカエル足で)回ってみてください。膝がお腹や胸に当たらないため、股関節が硬くても重心を低く保つことができ、比較的スムーズに回れるようになります。 |
| テクニック②:手を「遠く」にセットする | 肩や手首が硬くて耳の横がきつい場合は、無理に近くにつこうとせず、頭頂部より少し「奥(進行方向)」に手をつくつもりで構えます。てこの原理は多少効きにくくなりますが、手首の角度が緩やかになるため、力が入りやすくなる場合があります。 |
ポイントは、「背骨の一つ一つを順番に床につけるイメージ」で丸まることです。
板のような背中を、タイヤのような背中に変えていく意識が、大人の後転成功への近道です。
いきなり回ろうとせず、まずは体育座りで背中を丸め、ゴロンゴロンと前後に転がる「ゆりかご」運動を入念に行ってくださいね!
筋力不足で体が持ち上がらない場合

「自分は腕の力が弱いから、体を持ち上げられないんだ……」
後転で失敗した時、多くの方がこう考えます。
確かに、自分の体重を腕だけで支えるのは大変なことです。
しかし、少し冷静に考えてみてください。
腕が細くて非力に見える小学生の女の子が、クルクルと軽やかに連続で後転している姿を見たことがありませんか?
もし後転に「強靭な筋力」が必須なら、彼女たちが回れる説明がつきません。
実は、後転に必要なのは、ベンチプレスで重いバーベルを持ち上げるような「絶対的なパワー」よりも、「タイミングよく一瞬だけ力を発揮するテクニック」が重要になるのです。
1. 「車を押す」原理で考える
わかりやすくイメージしてみましょう。
止まっている重たい車を動き出させるには、大きな力が必要です。
しかし、一度動き出した車なら、比較的小さな力でも押し続けることができますよね。
後転もこれと同じです。
回転の勢いがあるうちは、体は「動いている車」です。
この時なら、腕の力はほんの少し補助的に使うだけで、スムーズに回れることが多いのです。
しかし、回転スピードが遅くて途中で止まってしまったら、それは「止まった車」です。
そこから体を持ち上げるには、逆立ち状態で腕立て伏せができるほどの、大きな筋力が必要になってしまいます。
つまり、「筋力不足で上がらない」と感じている正体は、実は「回転スピード不足で止まってしまったから、結果として必要以上の筋力を要求されている」状態である可能性が高いのです。
2. 筋力よりも「腹筋(コア)」が鍵を握る
「じゃあ腕の筋トレは意味がないの?」と聞かれると、もちろんあるに越したことはありません。
特に肘を伸ばす「上腕三頭筋」は重要です。
しかし、それ以上に後転の成否を分けるのが、実は「腹筋」です。
回転中に腹筋の力が抜けてしまうと、足がダラッと伸びてしまいます。
物理の原則により、回転半径が大きくなると回転スピードは落ちやすくなります。
つまり、腹筋が弱いと体が伸びてしまい、ブレーキがかかってしまうのです。
「腕の力が足りない」のではなく、「腹筋で小さく丸まり続けられないから、スピードが落ちてしまっている」というのが、多くの失敗例で見られる現象です。
3. 押すタイミングは「一瞬」だけ
力が入りにくい人ほど、最初から最後までずっと力を入れ続けてしまうことがあります。
しかし、後転で腕の力が最も必要なのは、お尻が頭の上を通過する「ほんの一瞬」です。
タイミングが早すぎても地面に届きませんし、遅すぎて足が着地してから押しても効果は薄いです。
空中で膝がおでこに近づいてきたタイミングで、床を強く押す。
この「タイミング」さえ合えば、今の筋力でも、体は浮き上がりやすくなります。
勢い(必要以上に減速しない回転)は大きな味方です。
とはいえ、いきなりスピード勝負にせず、安全なマット・十分なスペース・可能なら補助がある条件で、まずは傾斜やドリルで“止まらない回転”を作っていきましょう。
脱・筋力不足のヒント
腕立て伏せをがむしゃらにやるよりも、以下の2つを意識した方が効率的です。- スピードアップ:勢いよく転がり、途中でなるべく減速しないようにする。
- ダンゴムシの姿勢:回転が終わるまで、膝とおでこを離さない(腹筋を抜かない)意識を持つ。
さらに詳しい後転のコツについて知りたい方は『後転のコツとは?できない原因と子供・大人別の練習方法を徹底解説』の記事を参考にしてみてください!
ダンゴムシの姿勢を作る時、柔軟性が高い人は膝が鼻に当たってしまう可能性がありますのでいきなり全力でやるのはやめましょう。
怪我には十分に気をつけて練習を行ってくださいね!
恐怖心で後転ができない時の心理

「頭ではわかっているのに、体が動かない……」
技術や体力の問題をクリアしていても、最後の最後に立ちはだかる壁。
それが「見えない方向へ回る恐怖心」です。
後転ができない理由の多くは、この心理的なブロックにあると言われています。
人間は情報の多くを視覚から得ているため、自分の目が届かない「真後ろ」という空間、しかも頭を下にして飛び込むという行為に対して、脳が「危険」のアラートを鳴らすのは、生物として自然な反応です。
ここでは、恐怖心がどのように体に影響するのか、そのメカニズムと対処法を考えます。
1. 脳が引き起こす「すくみ反応(Freezing)」
怖いと感じた瞬間、あなたの体では何が起きているのでしょうか?
恐怖を感知すると、体は緊張状態になり、筋肉を硬直させることがあります。
これを「すくみ反応」などと呼ぶことがあります。
車で例えるなら、アクセル(回ろうとする意志)とブレーキ(守ろうとする本能)を同時に踏み込んでいる状態に近いでしょう。
体がガチガチに固まってしまうと、関節の滑らかな動きが阻害され、本来ならできるはずの「背中を丸める」「腕を伸ばす」といった動作が難しくなってしまうのです。
2. 恐怖が招く「回避行動」のリスク
さらに注意したいのは、恐怖心が無意識の「回避行動」を引き起こし、それがフォームの乱れにつながることです。
- 顔を背ける: マットや床が見えない不安から、無意識に顔を横に向けて確認しようとすることがあります。
すると首がねじれ、真っ直ぐ回れずにバランスを崩しやすくなります。 - エビ反りになる: 「怖い!」と思った瞬間、人は身を守ろうとして体を反らせてしまうことがあります。
後転で背中が反ると、回転するエネルギーが相殺され、スムーズな回転が妨げられます。
「怖いから怪我をしたくない」という防衛本能が、逆に不安定なフォームを作らせてしまっていることがあるのです。
3. 「気合」ではなく「段階的な慣れ」が必要
体育の授業などで「気合で回れ!」と指導された経験がある方もいるかもしれませんが、恐怖を感じている状態での無理強いは逆効果になりかねません。
必要なのは、根性論ではなく「スモールステップ法」です。
これは、「安全だ」と認識できるレベルまで難易度を下げ、小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ脳を慣らしていくアプローチです。
脳が「これなら大丈夫そうだ」と納得するまで、徹底的にハードルを下げてください。
安心感が確保された時、体はスムーズに動きやすくなります。
「後ろに回るのが怖い」なら、まずは「後ろに転がってすぐ戻る(ゆりかご)」だけでOKです。
それも怖いなら、「フカフカのクッションの上」でやってみる。
それでも怖いなら、「補助をお願いする」。
段階を踏むことが大切です!
後転で手で押せない人の改善練習法

原因が詳しくわかったところで、次はいよいよ具体的な練習プログラムに入っていきましょう!
いきなり完成形を目指して失敗を繰り返すと、悪い癖がつくだけでなく恐怖心も増してしまいます。
大切なのは「スモールステップ」です。
簡単な動きから少しずつ難易度を上げて、感覚を積み上げていくのが上達への近道です。
ここでは、自宅でも比較的安全に実践できる練習法を紹介します!
自宅でできる効果的な後転練習方法
「教室でできないことを、家で練習したい!」
その向上心、本当に素晴らしいです。
ですが、いきなりフローリングの床で後転の練習をするのは避けてください。
背骨や頭を打って怪我をするリスクがありますし、恐怖心が増すだけです。
自宅での練習に関するご注意
家庭用の布団やベッドは、体操教室の専用マットとは異なり、滑りやすかったり、沈み込みすぎて首に負担がかかったりするリスクがあります。以下の練習を行う際は、周囲に家具がない広いスペースを確保し、痛みや違和感がある場合は直ちに中止してください。
無理のない範囲で行うことが大前提です。
自宅練習で最も大切なのは「頭と首を守ること」です。
布団だと沈み込みすぎて首に負担がかかることがあるため、もし本格的に練習するなら、体操教室でも使われているような5cm以上の厚みがあるスポーツマットを用意するのが一番の安全策です。
これなら思い切り練習できますよ。
家でやるのにおすすめなのは、回転そのものではなく、「回転に必要なパーツ(部品)を磨くこと」です。
ここでは、布団やマットレスの上で行える、基礎的な3ステップ練習法をご紹介します。
地味に見えるかもしれませんが、これができれば、本番の成功率はグンと高まりますよ。
ステップ1:全ての基礎「ゆりかご」の重要性
「ゆりかごなんて準備運動でしょ?」と侮ってはいけません。
実は後転が苦手な方の多くは、このゆりかごがスムーズにできていないことがあります。
綺麗な後転は、滑らかなゆりかごの延長線上にあります。
- スタート姿勢: 体育座りになり、両手で膝を抱えます。この時、背中をしっかり丸めてください。
- 視線の固定: おへそを覗き込みます。この視線は、動き終わるまで外さない意識を持ってください。
- ローリング: そのまま後ろにコロンと転がり、反動を使って元の体育座りに戻ります。
それは背中が平らになっているサインかもしれません。
「タイヤ」のように滑らかに、背骨の一個一個が順番に床につく感覚を目指して練習してください。
ステップ2:反応を養う「耳横タッチ」
ゆりかごができたら、次は「手をつく動作」を組み込みます。
後転で失敗する原因の一つは、「手が出るのが遅い」ことです。
これをスムーズにできるように練習します。
- ゆりかごで後ろに転がった瞬間、抱えていた膝から手を離します。
- 素早く手を耳の横にセットし、手のひら(掌底)で床を「パンッ」とタッチします。
- その手の反動を利用して、起き上がって元の姿勢に戻ります。
重要なのは、指先ではなく「手のひらの付け根(掌底)」がしっかり床についているか確認することです。
この段階で床に手が届いていない、あるいは指先しかついていない場合は、手首の柔軟性を高めるか、背中の丸め方を再確認しましょう。
ステップ3:押す感覚を覚える「壁プッシュ」
「手で押す感覚がわからない」という方に、おすすめしているドリルです。
壁を床に見立てて、比較的安全に「押す力」を確認できます。
- 配置: 壁の前に、お尻を向けて座ります(壁から50cm〜1mほど離れる)。
- 動作: ゆりかごの要領で後ろに転がり、足を壁の高い位置につけます。
- 接地: 同時に、手も壁につきます(耳の横でセットし、指先は下=床の方へ向ける)。
- プッシュ: 壁についた手で強く壁を押し返し、その反動で元の座った姿勢に戻ります。
この練習の良い点は、首に全体重がかかる前に「手で押す」アクションを実行できることです。
「あ、ここで肘を伸ばせば体が戻るんだ!」という感覚を確認してください。
これができるようになれば、実際のマットの上でも体が反応しやすくなります。
周りに家具や角張ったものがないか、十分なスペースを確保してから行ってください。
また、首に違和感があるときは無理せず中止してくださいね。
子供の後転を成功させる補助の仕方

「子供が家で練習しているけれど、首が曲がりそうで怖い」
「どうやって手伝えばいいのかわからない」
保護者の方から、このような相談をよくいただきます。
結論から申し上げますと、安全なマット環境があり、正しい手順を理解した上で大人が適切な補助を行うことは、後転習得の助けになります。
補助によって「首にかかる負荷を軽減する」ことができれば、子供は安心して正しい回転の軌道(空中の道筋)を体感しやすくなるからです。
【重要】補助のリスクについて
間違った補助は逆に怪我の原因になります。不安な場合は無理に行わず、体操教室の先生に任せることをおすすめします。
ご家庭で行う場合は、これから解説する以下のポイントを十分に理解した上で、無理はせず、少しでも不安があるなら実施を見送り、可能なら体操教室など指導者のいる環境で行ってください。
1. 補助の目的は「回すこと」ではなく「持ち上げること」
まず、意識を変えてみましょう。
補助の目的は、子供を無理やり回転させることではありません。
最も苦しい局面(逆さまになった時)で、「腰を高く吊り上げてサポートすること」です。
子供が自力で回れない理由の一つは、「手で床を押して、体を持ち上げる力」が足りないことです。
その足りない「持ち上げる力」を大人が少し手助けしてあげることが補助の基本です。
2. 「腰リフト」補助の4ステップ
具体的な手順の一例です。
補助者は以下のポジションを取ってください。
- ポジション: 子供の真横に、片膝立ちで構えます。(立ったままだと腰を痛めますし、力が入りにくいです)
- 待機: 子供が後ろに転がり始めます。まだ手は出しません。
背中が床につき、足が頭の上を通過しようとする瞬間を待ちます。 - キャッチ&リフト: お尻(骨盤)が浮き上がってきた瞬間、両手で子供の腰骨あたりを左右から挟み込むように持ちます。
そして、斜め後ろ上空(天井方向)に向かって、スッと引き上げます。 - 着地サポート: 足が床につくまで支え続け、ゆっくりと着地させます。
補助のイメージ
イメージは「クレーンゲーム」です。子供の腰をアームで挟んで、真上に持ち上げる感覚で行ってください。
これにより、子供の首と頭の間に「余裕」が生まれ、首への負担が減りやすくなります。
3. リスクのある「やってはいけない補助」
良かれと思ってやってしまいがちな、しかしリスクを高める補助が2つあります。
| 注意点 | 理由とリスク |
|---|---|
| 注意①:背中を強く押す | 「もっと勢いよく!」と背中をグイグイ押すのは避けてください。背中を押されると反射的に体がエビ反り(伸展)になり、後転に必要な「丸まる」動きを阻害してしまいます。体を「伸ばして」しまうと、首への圧迫が強まる可能性があり危険です。 |
| 注意②:太ももや足首を持って回す | 足だけを持って回転させようとすると、体は「頭を中心にしたコンパス」のような動きになりがちです。これでは腰が上がらず、体重が首に集中しやすくなります。「足」ではなく、あくまで体の重心に近い「腰(お尻)」を操作してあげることが重要です。 |
4. 補助を卒業するタイミング
最初はしっかり持ち上げてあげて構いません。
子供が「あ、こうやって回るんだ!」という感覚(ボディイメージ)を掴んできたら、徐々に補助の力を弱めていきます。
最終的には、手を腰に添えるだけの「見守り補助」にし、自信を持たせてあげましょう。
少し助けてあげるだけで、子供は変化を見せることがありますよ!
手をつく位置とタイミングの修正法
「筋力もあるし、恐怖心も克服した。でも、なぜか起き上がれない……」
そんな方が最後に見直すべきなのが、この「手のポジショニング」と「セットするタイミング」です。
手をつく位置が少しずれるだけで、発揮できる力は大きく変わってしまうことがあります。
ここは、成功しやすくなるための重要なポイントです。
物理的に最も効率よく力が伝わる「適切な打点」に手を置くための、具体的な修正法をお伝えします。
1. 狙うは「耳の横」ではなく「耳の奥」
教科書にはよく「耳の横」と書かれていますが、これを額面通りに受け取るとうまくいかないことがあります。
正確には、「耳の横、かつマットの少し奥(進行方向)」を狙うのがコツです。
よくあるパターンが、万歳をするように手が頭から遠すぎてしまう「バンザイ後転」です。
肘が伸びきった状態(180度)では、地面を押すための「しろ(可動域)」が残っていません。
ジャンプする時に膝を曲げるのと同じで、腕も一度曲げないと伸ばす力は生まれにくいのです。
逆に、手が頭に近すぎて肘を深く曲げすぎても、今度は窮屈で力が入りません。
力が伝わりやすい角度は、「肘が約90度に曲がった状態」と言われています。
この90度を作れる位置に手を置くのが理想的です。
2. 「ピザ屋さんの手」を作れていますか?
次に重要なのが、手のひらと指先の向きです。
ここで形を意識することで、前述した「肘が開く」のを防ぎやすくなります。
合言葉は「ピザ屋さんの手」です。
- 推奨フォーム: 手のひらを天井に向け、指先を自分の肩(後ろ)に向けます。
まるで、大きなピザのお皿を両手で持っているような形です。 - 避けたいフォーム: 手のひらが耳の方を向き、指先が外側を向いている。これでは肘が外を向きやすく、力が逃げてしまう可能性があります。
この「ピザを持つ形」をキープしたまま、親指が耳に触れるくらいの距離感でマットにセットしてください。
指先がしっかりと肩の方を向いていれば、解剖学的にも脇が締まりやすく、プッシュ力が生まれやすくなります。

3. コンマ1秒を大切に「早めの準備」が鍵
位置と同じくらい重要なのが「タイミング」です。
手で押せない人の動きを見ると、「頭がマットについてから、慌てて手をついている」ケースが散見されます。
頭がついた時点で、首には体重がかかり始めています。
そこから押し返そうとしても、大きな力が必要になってしまいます。
ポイントは、頭がつく「前」に準備することです。
回転が始まった瞬間、まだ体が起きている段階で、手だけは既に「ピザ屋さんの形」を作って耳の横にスタンバイさせてください。
「背中がつく頃には、もう手がマットについている」のが理想です。
早めに接地できれば、地面を押すための「タメ」を作る時間が生まれ、余裕を持って体を持ち上げやすくなります!
坂道を利用して回転感覚を養うコツ

もし環境が許すなら、強くおすすめしたいのが、「坂道(傾斜)」を利用した練習です。
体操教室などでは頻繁に導入される定番のメソッドです。
体操教室ではマットや器具で安全に傾斜を作ります。
ご家庭で代用する場合は、ズレない構造・十分な広さ・厚みのあるマットなど安全条件を満たせるときに限り、無理のない範囲で検討してください(※不安定な“積み重ね”だけで坂を作るのは避けましょう)。

そして、実施する場合も安全なマットの上で、できれば補助者がいる状態で、低い傾斜から段階的に行ってください。
これだけで、感覚が掴みやすくなります。
← 表は横にスクロールできます →
| 練習環境 | 特徴とメリット・デメリット |
|---|---|
| 平地での後転 |
ハードモード 自分の筋力と勢いだけで回る必要があるため、技術とある程度のパワーが求められます。 失敗すると首に体重が乗りやすく、恐怖心が生まれやすいのが難点です。 |
| 坂道での後転 |
イージーモード 「位置エネルギー」が回転を助けてくれるため、少ない力でも驚くほど回りやすくなります。 首への負担が軽減され、「できた!」という成功体験を得やすいのが最大のメリットです。 |
坂道を使うメリットは、「自分の手で体を支えられた!」という成功体験を早期に得られることです。
この自信が恐怖心を和らげ、リラックスにつながります。
まずは安全な条件で「押すタイミング」と「回る感覚」を養い、徐々に傾斜を低くしていって、指導者のチェックや安全が確保できる範囲で平らな場所へ移行するのが効率的です!
よくある質問(FAQ)
ここでは、後転に関するよくいただく質問をまとめました!
無理に続けず、休憩を挟みながら行ってください。
また、人によっては回転後に呼吸を整えて視線を一点に落ち着けると楽になることもあります。
ただし症状が強い・長引く場合は、無理に続けず練習を中断してください。
疲れてくるとフォームが崩れ、首へのリスクが高まります。
大人の場合は、数回〜10回程度を目安にして、疲れてフォームが崩れる前に切り上げるのがおすすめです。
首や手首に少しでも違和感があれば、その日は終了にしてください。
ただし、加齢とともに柔軟性や筋力は変化しますので、若い頃と同じイメージで無理をするのは禁物です。
ご自身の今の体の状態に合わせた、ゆったりとしたペースでの練習をおすすめします。
まとめ|後転で手で押せない悩みの解決に向けて
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!
今回は深掘りして解説してきましたが、後転で手で押せない原因は、単に「腕の力が弱いから」という単純なものではなく、肘の向き、柔軟性、回転の勢い、そして心のブレーキなど、様々な要因が関係していることをご理解いただけたかと思います。
「できない」と焦って無理やり力任せに練習するのは、怪我のリスクを高めるだけでなく遠回りです。
まずは「しっかりと丸まること」そして「正しい手の位置(耳の横・指は肩へ)」を意識してみてください。
そして、大人の私たちは決して無理をせず、事前のストレッチを入念に行うことを大切にしてくださいね。
今はできなくても、今日紹介したような「ゆりかご」や「坂道練習」といったスモールステップを踏めば、体は応えてくれるはずです。
いつかクルッと軽やかに回れるようになった時、目の前の景色が少し変わって見えるでしょう。
焦らずコツコツ、楽しみながら練習を続けていきましょう!応援しています!
本記事で紹介している情報は、一般的な体操指導の理論や経験に基づくものですが、全ての読者に対して効果や安全性を保証するものではありません。
運動の効果には個人差があり、体調や既往歴によっては適さない場合があります。
特に首や背中、手首などに持病や痛みがある方は、医師の指示を仰いだ上で実施してください。
万が一、練習中に痛みや体調不良を感じた場合は、直ちに中止し、医療機関を受診してください。
本記事の実践によって生じた怪我や損害について、当ブログおよび著者は一切の責任を負いかねます。
ご自身の体調と安全を最優先に、無理のない範囲で練習を行ってください。
また、記事内で紹介している商品の最新情報や在庫状況については、リンク先の公式サイトにてご確認ください。
