子どもの三点倒立を成功に導くコツと安全な練習方法!
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こんにちは!「スルースのVictory Academy」のスルースです!
お子さんが三点倒立の練習を始めたけれど、なかなかうまくできなくて悩んでいませんか?「どうすれば倒れずにキープできるのかな?」「どこから教えればいいのかわからない」と疑問に思う保護者の方も多いかもですね。
幼児や小学生の子どもが三点倒立に挑戦する際、できない原因の多くは筋力不足だけでなく、逆さになる恐怖心や自己流の練習方法にあることがほとんどなんです。
この記事では、三点倒立を成功させるための具体的なコツから、ご家庭でもできる安全な練習方法、そして大人がサポートする際の適切な補助のやり方までを順番に詳しく解説していきます。
少しでもお子さんの挑戦を応援するヒントになれば嬉しいです!
子どもの三点倒立を成功に導くコツと原因

ここでは、三点倒立の練習を本格的に始める前に知っておきたい、失敗しやすいポイントや心構えについて深く掘り下げて解説していきます。
まずは「なぜできないのか」という根本的な理由を正確にアセスメント(見極め)することが、遠回りに見えて実は上達への一番の近道になると思います!
三点倒立ができない原因と心理的障壁

子どもが三点倒立でつまずく一番の原因は、実は腕や腹筋の筋力不足ではなく、圧倒的に「恐怖心」であることが多いんです。
これまで僕自身、たくさんの子どもたちに体操を指導してきましたが、最初から全く怖がらずに逆立ちができる子はほんの一握りです。
人間はもともと、頭を心臓より下にする非日常的な姿勢や、見えない後ろ側へ倒れることに対して、本能的に強い警戒心を抱くようにできています。
「後ろにドスンと転がったらどうしよう」「首や頭を痛めるかもしれない」という不安が少しでも頭をよぎると、自然と全身の筋肉がこわばってしまいます。
特に厄介なのが、無意識のうちにお腹側の筋肉が縮こまってしまうことです。
この緊張によって体は無意識のうちに丸くダンゴムシのように縮こまり、背骨をまっすぐにピシッと伸ばすことが物理的に困難になってしまいます。
三点倒立は、重いお尻(骨盤)を肩の真上に持っていくことでバランスをとる技ですが、背中が丸まった状態では重心を引き上げることができません。
そのため、どれだけ腕の力があっても、足を上に持ち上げる勢いが途中で削がれ、必ずバランスを崩して元の位置に戻るか、横に崩れ落ちてしまうんです。
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| 気になる現象(サイン) | 心理的な背景と体の反応 |
|---|---|
| 頭を床につけるのを嫌がる または、すぐに頭を離してしまう | 深層心理:荷重への不安 頭頂部に自分の体重を乗せる(荷重する)ことに対する、強い不安感が原因です。 |
| 足が床から数センチしか浮かない 思い切って足を上げられない | 深層心理:転倒への恐怖 見えない後ろ側へ転倒することへの防衛本能が働き、無意識にブレーキをかけています。 |
| 背中や腰が常に丸まっている ダンゴムシのように縮こまる | 体の反応:過度な緊張 緊張によるお腹側の筋肉の無意識な収縮が起きています。ダンゴムシ状態になることで重心が低下し、姿勢が崩れる大きな原因になります。 |
さらに、過去の練習で少しでも痛い思いをしたり、ドスンと背中から落ちて失敗した経験があったりすると、「自分には絶対に無理だ」「また転がるに決まっている」といった強いネガティブな思い込み(メンタルブロック)が形成されてしまいます。
この状態になると、腕や頭にしっかりと自分の体重をかけること自体を、体が無意識に全力で避けてしまうんです。
体重が三点に均等に乗っていないということは、土台がスカスカでグラグラな状態を意味しますので、いつまで経っても空中で安定した姿勢を作ることはできません。
だからこそ、筋力アップのトレーニングをさせたり、いきなり足を高く上げる練習を何度も繰り返したりするよりも先に、この「怖い」という気持ちをいかに和らげ、心身の緊張を解いてあげるかが、三点倒立を成功させるための最重要課題(ステップゼロ)になるかなと思います。
ここをしっかりクリアして「逆さまになっても安全なんだ!」という安心感を持たせてあげるだけで、昨日まで全く足が上がらなかった子が、魔法にかかったかのように嘘のようにスッと止まれるようになることも珍しくありません。
技術を教え込む前に、まずは大人がお子さんの「心のアセスメント(見極め)」をしてあげることが何よりも大切ですね!
幼児が恐怖心をなくす安全な練習方法

先ほどお伝えした最大の障壁である「恐怖心」を取り除くためには、精神論で「怖くないよ、思い切って頑張れ!」と励ますのは実はあまり効果がありません。
大人でも未知の動きは怖いですよね。子どもが心から「ここは安全だ、失敗しても大丈夫なんだ」と確信できる環境を、物理的にも心理的にも意図的に作ってあげることが何よりも大事です。
まずは、最も重要な床の環境設定から始めましょう。
フローリングの床で直接練習するのは論外として、大人がストレッチに使うような薄いヨガマット一枚程度でも、子どものデリケートな頭頂部への圧迫感や、転倒時の衝撃を考えると不十分なことが多いです。
ご家庭で練習する場合は、頭や首を守るためにも転がっても痛くない家庭用の分厚い体操マットを用意してあげるのが一番の近道です。
また、体操教室にあるような分厚く柔らかいマットを用意するのがベストですが、ご家庭であれば、十分な厚みとクッション性を持ったお布団を2〜3枚重ねて広めに敷き詰めるのがおすすめです。
このとき、お布団の下に滑り止めシートを敷いておくと、踏ん張った時に土台がズレるのを防げます。「頭が痛くない、転がってもフカフカだ」という直接的な肌感覚が、子どもたちの恐怖心を優しく和らげてくれます。
また、練習スペースの周囲にある家具、テレビ台、机の角、そして硬いおもちゃなどの障害物は、完全に別の部屋に片付けるか、遠ざけてください。
幼児や小学生は大人に比べて視野が狭く、空間認識能力も発達途中です。視界の端にゴツゴツした家具が見えたり、足元におもちゃが転がっていたりするだけで、「ぶつかるかも」と無意識に体がこわばります。
万が一どの方向に転がっても、障害物にぶつかる危険がない『安全で広い空間』を確保することが極めて重要です。この視覚的な環境づくりだけで、子どもの不安は劇的に軽減されますよ。
幼児期からこうして安全に配慮された環境で様々な体の動き(逆転や転回など)を経験することは、単に三点倒立という技ができるようになるだけでなく、運動能力の発達にも大きく寄与します。(出典:文部科学省『幼児期運動指針』)によれば、幼児期に運動を調整する能力(タイミングよく動いたり力の加減をコントロールしたりする力)を高めることは、周りの状況を瞬時に判断し、将来的なケガや思わぬ事故を未然に防止する能力の育成にもつながるとされています。
環境をしっかり整えた上での三点倒立への挑戦は、まさにこの「自分の体を自分の意志でコントロールする力」を養う絶好の機会になると思います!
練習を始める前の重要事項と注意点
三点倒立は、首や手首に日常生活ではかからないような負荷がかかる技です。練習前には必ず手首をぐるぐると回したり、手の甲を伸ばしたり、首を前後左右にゆっくりと倒す念入りなストレッチを行ってください。
また、思わぬケガを防ぐためにも、必ず保護者の目の届く範囲(すぐ横で手を伸ばせる距離)で練習し、子どもが少しでも「首が痛い」「手首が痛い」と訴えた場合は、その日の練習はすぐに中止するようにしましょう。
体力や関節の強さには個人差があるため、疲労が溜まるほどの無理な反復練習は禁物です。
正三角形を作る正しい頭の位置と手

三点倒立を力任せではなく、スムーズに成功させるための最も大きなコツは、両手と頭部の合計3点で、床に強固な正三角形(あるいは二等辺三角形の支持基底面)を作ることです。
ここで子どもたちが本当によくやってしまう間違いが、両手と頭を「横一直線」に並べてしまうことなんですね。
土台がカメラの三脚のような「面」ではなく、ペラペラの「線」になってしまうと、前後方向へのバランスを保つことが難しくなり、必ず前か後ろのどちらかに倒れてしまいます。
まずは両手と両膝をついた四つん這いの姿勢から、手と手の間の距離を肩幅程度に広げます。
そして、両手を結んだ線から「少し前方(自分の顔の少し前)」に頭をセットすることで、床面に綺麗な正三角形を描くように意識させてあげてください。
もし位置がわかりにくければ、床にマスキングテープで三角形の印をつけてあげて、「ここに手、ここに頭を置いてね」と視覚的にナビゲートしてあげるのもすごく効果的です。
【実践テクニック】手と指の使い方のコツ
手を床につくときは、指をピタッと閉じるのではなく、パーの形に大きく開くことが隠れたポイントです。指を大きく開くことで床に接する面積(支持基底面)がさらに広がり、バランスを崩しそうになったときに指先で床を「ギュッ」と掴んでブレーキをかけやすくなります。
指先はまっすぐ前(頭を置く方向)に向けてセットしましょう。
そして、この正三角形の頂点となる「頭を床につける位置」が、技の成功を左右する極めて重要なポイントになります。
おでこ(額)の近くや、首に近い後頭部を床につけてしまうと、首が不自然に曲がったり反ったりした状態になります。
このまま体重がかかると、首に過度な負担がかかるリスクが高まるため避けてください。
正しい位置は、頭の一番高いところである「頭頂部(てっぺん)」を床に対して垂直に当てることです。
頭頂部で体重をまっすぐに受けることで、首への負担を減らし、頭から背中にかけての軸をまっすぐ保ったまま、体をしっかりと安定して支えられるようになります。
「頭のてっぺんがどこかわからない」というお子さんには、立った状態で頭の上に本や平らなものを乗せてもらい、一番安定して乗る場所を探すゲームをしてみると、正しい位置を感覚的に掴みやすいですよ。
さらもう一つ、姿勢を安定させるためのコツが「目線(視線の位置)」です。
視線の位置は頭の角度を決め、それが背中全体の姿勢にダイレクトに影響を与えます。逆さまになったとき、怖がって自分のお腹や足元を見ようと顎を引きすぎると、背中が丸まって後ろへコロンと転がりやすくなります。
逆に上(前方)を向きすぎると、今度は腰が反りすぎてお腹の力が完全に抜けてしまいます。
最適な目線は、「両手の少し前(床にできた正三角形の中心付近)」に一点集中で固定することです。
ここをじっと見つめることで、首のぐらつきが抑えられ、頭からお尻までの体の軸がスッと一直線に整いやすくなります。
「あのテープのところをずっと見ててね」と声をかけてあげるだけで、姿勢が驚くほど安定するので、ぜひ試してみてくださいね!
壁を使った安全な練習方法へのステップ

正しい手の位置と頭の位置(正三角形)がしっかり作れるようになっても、何もない広い空間(フリースペース)でいきなり足を上に振り上げるのは、見えない後ろへドスンと倒れる不安を感じるため、子どもにとっては非常にハードルが高い挑戦です。
そこでおすすめなのが、おうちにある「壁」を最大限に活用することです。
壁を背にして練習を行うことで、「もしバランスを崩して後ろに倒れそうになっても、最終的には壁が背中や足を受け止めてくれる」という物理的な頼もしい支えが生まれます。
これが子どもにとって極めて大きな心理的安心感(セーフティネット)として機能し、今まで怖くて出せなかった力を思い切って発揮できるようになります。
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| ステップ | 具体的な動作とポイント |
|---|---|
| ステップ1 基本姿勢の構築 | 準備:距離と土台 壁に背中を向けてしゃがみます(壁から足のサイズ1つ分くらい離れるのが目安)。手と頭で綺麗な正三角形を作ります。 |
| ステップ2 お尻の引き上げ | 動作:足裏の設置 お尻を高く上げ、足の裏を壁にペタッとつけます。このとき、腕の力だけでなく手のひら全体で床をしっかり押すことがポイントです。 |
| ステップ3 壁登りとキープ | 目標:重心の移動 トコトコと壁を足で少しだけ登り、腰(骨盤)を肩の真上に近づけて数秒キープします。※最初は高く登りすぎないよう注意しましょう。 |
具体的なステップとしては、上記のように壁を背にしてしゃがみ、正三角形の強固な土台を作ります。
そこから、頭頂部と両手を床にしっかり押し付けたまま、膝をゆっくり伸ばして、お尻をできるだけ高く天井方向へ引き上げていきます。
体操の指導現場ではこれを「壁登り」と呼んだりしますが、足の裏を使って壁を少しずつトコトコと登っていく感覚ですね。
ここで、サポートをする大人の方に一つだけ強く注意してほしいのが、「最初は壁を高く登りすぎないこと」です。
この初期段階での目的は、一直線の綺麗な逆さ姿勢を完成させることではなく、あくまで「逆さまの状態で自分の頭と腕にしっかり体重が乗る感覚(荷重感覚)」に体を慣らすことと、重い腰を高い位置に持っていくことの2点だけです。
いきなり足先までピンと伸ばした完全な倒立姿勢を壁で作ろうとすると、目線がグラグラして恐怖心が勝ってしまい、首をすくめて崩れ落ちてしまう可能性があります。
足は壁の低い位置でも全く構いません。まずはお尻が高い位置にある状態で「1、2、3」と数秒キープできたら、「すごい!今日はここまでできたね!」「自分の腕でしっかり体を支えられててカッコいいよ!」と、その小さな成功体験を全力で具体的に褒めてあげてください。
幼児や小学生の運動学習において、この「少しずつできた!怖くない!」という喜びと安心感の積み重ねは、何十回の反復練習よりもずっと効果があります。
壁を味方につけて恐怖心を丁寧に取り除くことが、最終的に何もない空間で自力で足を浮かせるための、確実な自信を育てるルートになると思います!
大人が行うべき効果的な補助のやり方
子どもが未知の動きである三点倒立に挑戦するとき、大人の物理的なサポート(補助)は欠かせません。
適切な補助は、単に転倒を防ぐという役割だけでなく、子どもに「正しい姿勢になったときの体の動かし方や感覚を直接的に伝える」極めて優れた練習方法にもなります。
大人がすぐそばにいて、いつでも支えられる構えを見せてくれているという事実だけで、子どもは自分の足を空中に持ち上げる勇気を振り絞ることができます。
補助をする際、大人は子どもの真横、あるいは背中側に位置取ります。
子どもが片足をゆっくりと引き上げてきたら、その足首やふくらはぎを両手で軽く持ち、真上(天井方向)へと優しく誘導してあげてください。
ここでやってはいけないのが、大人が力任せに子どもの足を引っ張り上げることです。
あくまで、子ども自身の腹筋や背筋の力を使って、骨盤が肩の真上に乗るのを「ほんの少しアシストする」感覚がとても重要です。
足が上で揃ったら、両足を大人の手で軽く挟み込むようにして支え、子どもが自分で重心の揺れを感じ取り、お腹に力を入れて修正する時間を十分に与えてあげてください!
子どもが三点倒立をマスターする練習のコツ

ここからは、実際に足を浮かせていくための具体的なステップや、空中での姿勢制御のコツについてお話ししていきます。
一気に完成させようと焦らず、動作を細かく分けて少しずつ進めていくのが成功のポイントになります!
卵のポーズでバランス感覚を養う練習方法
壁を使った練習などで、お尻を高く上げて頭と手で体重を支える感覚(荷重感覚)に慣れてきたら、いよいよ足を床から浮かせる段階に入ります。
しかし、ここでいきなり足を天井に向けてピンと伸ばそうとするのは避けた方が無難です。
体幹の力がまだ弱い幼児や小学生にとっては、重心が一気に高くなるためバランスをとる難易度が高すぎますし、何より後ろに倒れる恐怖心が勝ってしまいます。
そこで、僕が指導の現場でも必ずステップとして取り入れているのが、「卵(団子)のポーズ」と呼ばれる中間姿勢を経由するアプローチです。
いきなり完成形を目指すのではなく、重心を低く保ったまま三点倒立の基礎を体に覚え込ませるこの方法は、とても効果的です。
やり方はとてもシンプルですが、手順を一つずつ焦らず丁寧に行うことが大切です。
まず、お尻を高く上げた正三角形の基本姿勢から、足先をトコトコと顔の方へ少しずつ歩かせて重心を前に移動させます。
そして、ゆっくりと膝を曲げて胸に近づけ、両膝をそれぞれ自分の肘(あるいは二の腕の裏側の少し平らな部分)の上にちょこんと乗せてしまいます。
膝が肘の上でしっかりとロックされて安定したのを確認したら、床についているつま先を、片足ずつゆっくりと浮かせてみましょう。
手、頭、そして丸く縮こまった自分の体でバランスをとる、まさにコロンとした「卵の形」になります。
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| 手順 | 具体的な動作と大人のサポートのコツ |
|---|---|
| ステップ1 重心の移動 | 動作:お尻の引き上げ 正三角形の土台を作り、足を顔の方へトコトコ歩かせてお尻を高くします。 |
| ステップ2 肘への乗せ込み | 補助:大人のサポート 片膝ずつ、ゆっくりと肘(二の腕)の上に乗せます。このとき、大人は腰を軽く支えてあげると子どもは安心できます。 |
| ステップ3 つま先の離陸 | コツ:足首のクロス 床のつま先をそっと離します。足首をクロスさせると体がキュッと締まり、丸い「卵の形」が安定しやすくなります。 |

この卵のポーズの素晴らしいところは、足を高く上げる恐怖心をあまり感じることなく、三点倒立に最も必要な「手のひら全体でのバランス調整」と「首・肩周りの土台の支持力」をピンポイントで鍛えられる点にあります。
重心が非常に低いため、万が一バランスを崩しても、そのままコロンと足から床へ着地しやすいという安心感も、子どもにとっては大きなメリットですね。
この丸まった姿勢でグラグラしなくなってきたら、次のステップに向けた重要なミッションがあります。
それは、丸まっていた背中を少しずつピシッとまっすぐに伸ばしていくことです。
お腹にグッと力を入れて、骨盤の位置を少しだけ高く引き上げるイメージですね。この状態で、息を止めずに自然な呼吸のまま、まずは10秒、最終的には30秒程度静止できるようになれば大成功です!
この「30秒キープ」ができるということは、逆さまの状態で姿勢を維持するために必要な筋肉群がしっかりと働いている証拠になります。
子ども自身も「自分の力で逆立ちできてる!」という大きな達成感を得られます。
このポーズが完成した時点で、実は三点倒立の半分以上はすでに完成していると言っても過言ではありません!
小学生にも有効な足を蹴り上げない練習

卵のポーズで30秒キープできるようになり、逆さまでのバランス感覚をしっかりと掴んだら、いよいよ丸めていた足を空中に引き伸ばしていく最終段階に移行します。
しかしここで、多くの子ども(そして補助をしてあげる大人の方も)が無意識に陥りがちな、落とし穴が待ち受けています。
それが、「勢いをつけてピョン!と足を空中に蹴り上げてしまうこと」です。
普通の壁倒立(腕立ての姿勢から足を振り上げる倒立)のイメージが強いためか、どうしても「エイッ!」と反動を使って足を高く上げようとしてしまうんです。
しかし、三点倒立においてこの「蹴り上げ」はぜひ避けていただきたいポイントになります。
なぜ足を蹴り上げてはいけないのでしょうか?
それは、勢いがつきすぎて子ども自身の筋力ではコントロールしきれなくなり、そのまま後ろへ激しく倒れてしまう危険性が極めて高まるからです。
蹴り上げた瞬間にその勢いを止めることができず、背中が弓なりに反り返り、腰が曲がってしまうことがよくあります。
三点倒立は、筋力で無理やり重い体を持ち上げるダイナミックな技ではなく、重心をコントロールして積み木を一つずつまっすぐに積み上げていくような、非常に繊細な技です。
土台(手と頭)の真上に、骨盤、そして足先というブロックを静かに乗せていくイメージです。
順を追って正しく形を作っていけば、反動をつけて勢いよく蹴り上げる必要は全くありません。
上半身が床に対して垂直になった「卵のポーズ」から、足を伸ばしていくための最大のコツは、お腹をカチッと固め、腰とお尻の筋肉をじわじわと使って「そっと優しく、エレベーターのようにゆっくりと」足を持ち上げることです。
お腹を固める感覚がわからない子には、「おへそを背中の方にギューッと引っ込めてごらん」と声をかけてあげると伝わりやすいですよ。
そして、もう一つぜひ守ってほしいルールが、「足を揃えるのは”あと”でOK」ということです。
両足を同時に伸ばして上げようとすると、お腹や腰への負荷が急激に高まり、耐えきれずにバランスが崩れやすくなります。
まずは片足の膝だけを肘から離し、ゆっくりと天井に向けてまっすぐ伸ばしていきます。
このとき、もう片方の足はまだ丸めたまま(または肘に乗せたまま)にしておきます。
こうすることで重心の急激な変化を防ぎ、落ち着いて「体の縦の軸」を作ることができるんです。
一本の足が天井に向かって伸び、その軸がグラグラしなくなってから、残っているもう片方の足をすーっと引き寄せて空中でピタッと揃えにいく。この「分割」の手順が、小学生はもちろん、まだ力の少ない幼児であっても劇的に安定感を高めるアプローチになります。
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| 段階 | 意識するポイントと具体的な動作 |
|---|---|
| ステップ1 片足の挙上 | 動作:反動ゼロで上げる 反動は一切使わず、お尻と腰の筋肉を意識して「片足だけ」をゆっくりと天井へ持ち上げます。もう片方の足は丸めたままキープしておくことが重要です。 |
| ステップ2 軸の安定 | 目標:グラグラしない軸作り 上げた片足と体が一直線に繋がり、体の軸が安定するまで、その場でじっと数秒待つように意識してください。 |
| ステップ3 足の合流 | 仕上げ:空中で揃える 軸が安定した「あと」で、丸めていたもう片方の足を優しく引き上げて、空中で両足をまっすぐ揃えます。焦らず分割して行うのがポイントです。 |
この「蹴り上げない」「片足ずつ上げる」という2つのルールを守るだけで、後ろへ転倒するリスクは大幅に減り、驚くほど美しい姿勢で三点倒立をキープできるようになるはずです。
焦らず、エレベーターのようにスーッと上がる感覚を身につけさせてあげてくださいね!
姿勢をキープして下ろすまでの練習方法

両足が空中で綺麗に揃い、憧れのまっすぐな姿勢を作ることができたら、今度はその美しい姿勢を長くキープするためのバランス能力を養っていきましょう。
足を高く上げた逆さまの状態では、普段私たちが立っている時のように、足首や足の指を使って器用にバランスをとることが一切できません。
その代わりとなる重要なセンサーが、床に接している「両手」になります。
ここでありがちなのが、グラグラする体を腕の筋力だけで強引に支えようと力んでしまうことです。
腕力に頼るのではなく、床についている「手のひら全体」、とくに指先の感覚に意識を集中させることが、空中でピタッと止まるための最大のポイントなんです。
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| 意識する部位 | 具体的なイメージと効果 |
|---|---|
| お腹・お尻・内もも 体幹と下半身の連動 | 効果:軸の安定化 お尻をキュッと締め、両脚の内もも同士をピタッとくっつけます。こうすることで、体全体が「一本の硬い棒」のような状態になり、空中で軸がブレにくくなります。 |
| 手の指先 倒れそうな時のブレーキ役 | 効果:微細なコントロール 腕力に頼るのではなく、木の根っこのように指先で床をグッと掴む(把持する)感覚を持ちます。前後左右のわずかな揺れに対して、指先で瞬時にブレーキをかけることができます。 |
| 呼吸と目線 力みを抜くための要 | 効果:リラックスと集中 目線は両手の少し前に一点集中で固定したまま、息を絶対に止めず、「フーー」と自然な呼吸を繰り返します。呼吸を続けることで全身の無駄な力みがスッと抜け、美しく長くキープできるようになります。 |
体が前(お腹側)に倒れそうになったら、指先で床を「ギュッ」と強く押し返します。
逆に後ろ(背中側)に倒れそうになったら、手のひらの付け根(手首に近い部分)でグッと踏ん張る。この指先と手のひらによる細やかなコントロールができるようになると、前後左右へのわずかなズレにも対応できるようになり、まるで時間が止まったかのような三点倒立に近づきますよ。
子どもに教える時は、「手の指で床をギュッと握ってみて!」と表現すると、直感的に伝わりやすいかもしれません。
そして、体操の指導において技の完成と同じくらい、いやそれ以上に重要視してほしいのが「終わる時の動作(着地)」です。
せっかく何秒も綺麗に静止できたのに、「できた!」と安心して空中で力が抜け、ドスンと崩れ落ちるように終わってしまうのは非常にもったいないですし、体をひねってしまう可能性があります。
着地までが三点倒立という一つの作品だと思ってください。お腹周りの力を最後まで抜かずに、上げた時と全く同じルートを「逆再生」するように、ゆっくりと片足ずつ床に下ろしていきます。
足の裏がマットにつき、しゃがみ姿勢に戻るまで、自分の体をコントロールしきる。この「丁寧な着地」までをワンセットとして練習することで、体を扱う能力はさらに一段階引き上げられると思います。
最後まで静かに美しく着地できると、子ども自身の「やり切った!」という達成感や自信もより一層大きくなりますよ!
専門の体操教室で補助を受けながら学ぶ

ここまでご家庭でできる練習方法やステップを詳しく解説してきましたが、ある程度逆さまになる感覚が掴めてきたり、逆にお家での練習ではどうしても恐怖心が拭いきれずに行き詰まってしまったりした場合は、より環境の整った専門の体操教室やスポーツクラブに通ってみるのも、非常に有効な選択肢の一つです。
専門の施設には、ご家庭では用意が難しい大きなメリットがあります。
それは、分厚い競技用のエバーマットや、反発力のあるトランポリン、傾斜のついた専用の補助ブロックなど、「万が一転倒しても衝撃をしっかりと吸収してくれる、安全に配慮された専用設備」が完備されていることです。
この大きな安心感の中で練習することで、子どもは本来持っている思い切りの良さを発揮しやすくなります。
さらに、指導の知識を持ったプロから直接教わることで、お子さんの現在の筋力レベルや骨格、性格に合わせた最適なアプローチ(オーダーメイドの補助)を受けることができます。
親御さんが教えるのも素晴らしいコミュニケーションですが、親子だとどうしても甘えが出たり、感情的になってしまったりすることもありますよね。
第三者である先生からの客観的なフィードバックは、変な体のクセがつくのを防ぎ、「頭をつけない普通の倒立」や「バク転」といった、さらにダイナミックな技へのステップアップを強力に後押ししてくれます。
「もっと上手になりたい!」という意欲が高まってきたら、まずは無料体験などに足を運んでみるのもおすすめですよ!
よくある質問(FAQ)
また、練習前には必ず首周りの念入りなストレッチを行い、クッション性の高い厚手のマット
お子さんが少しでも「痛い」と訴えた場合は、その日の練習はすぐに中止してください。
長時間の練習は避け、1日5分〜10分程度から始めるのがおすすめです。
年齢よりも、壁に背中をつけてお尻を高く上げる「壁登り」ができるかどうかが、本格的な練習を始める一つのサインになります。
壁倒立は腕の突っ張る力と勢いで体を持ち上げる要素が強いですが、三点倒立は「首と手」の低い位置で細やかな重心コントロールが求められます。
勢いで足を上げるクセがついている可能性があるため、一度足を伸ばすのをやめ、「卵のポーズ」で低重心のバランス感覚を養うところから再スタートしてみてください。
まとめ|子どもの三点倒立を成功させるコツ
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!
今回は、子どもが三点倒立をマスターするための具体的なステップや、つまずきやすいポイント、そして大人ができるサポート方法について、かなり詳しくお話ししてきました。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!いかがだったでしょうか?
三点倒立という技は、単に体を逆さまにして静止するという表面的なテクニックの話ではありません。
本能的な「転ぶかもしれない」という恐怖心に真正面から打ち勝ち、自分の重心や支持基底面を頭で理解し、全身の筋肉を連動させてバランスをとるという、子どもの心と体の成長にとって計り知れない価値を持つ素晴らしいチャレンジなんです。
手と頭で綺麗な正三角形を作ること、視線を前に固定して背筋を伸ばすこと、そして絶対に勢いで蹴り上げず、卵のポーズから片足ずつじっくりと上げていくこと。これらが、安全に上達し、着実に成功へと近づくための最大のコツになります。
最初から完璧にできる子はいません。
壁を使ったり、補助具を使ったりしながら、ほんの少しでもお尻が高く上がった日には、全力でその挑戦を褒めてあげてください。
その小さな成功体験の積み重ねが、やがて「できた!」という最高の笑顔と、何事にもひるまない強い自信に繋がっていくはずです。
なお、今回ご紹介した練習のステップや時間はあくまで一般的な目安です。
お子さんの体力やペースに合わせて、無理のない範囲で楽しく進めてあげてくださいね。
お子さんの大成功を、心から応援しています!
▼ 安全な環境づくりに。練習に重宝するおすすめマットです ▼
本記事で紹介している練習方法や補助の仕方は、一般的な体操指導の経験に基づくものです。
効果や安全性には個人差があり、ケガを防ぐことを完全に保証するものではありません。
練習を行う際は、必ず保護者の監視のもと、周囲の安全を十分に確保した上で、お子様の体力やその日の体調に合わせて無理のない範囲で実施してください。
練習中に少しでも痛みや違和感を訴えた場合は直ちに練習を中止し、必要に応じて整形外科などの専門医にご相談ください。
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