はじめに
「せっかく買ったから、もったいなくて使い続けている」
「失敗したら嫌だから、新しいことはやめておこう」
こんな気持ちになったことはありませんか?
実はそれ、損失回避バイアスの影響かもしれません。
人は利益を得る喜びよりも、損失を避ける痛みのほうを強く感じます。そのため、合理的に考えれば得られるはずのチャンスを逃してしまうことが多いのです。
この記事では、損失回避バイアスの仕組みや具体例、デメリット、克服方法をわかりやすく解説します。読めば「なぜ行動できないのか」が明らかになり、一歩踏み出す勇気が得られます!
損失回避バイアスとは?
損失回避バイアスの定義
損失回避バイアスとは、人が「得られる利益」と「失う損失」を比べたとき、損失のほうを約2倍以上大きく感じる心理傾向のことです。
例えば1万円を得たときの喜びより、1万円を失ったときのショックのほうが大きいですよね。
これにより、合理的な判断ができず「損をしない」選択に偏ってしまいます。
損失回避バイアスの具体例

投資やお金の場面
株や投資信託で含み損が出ているとき、「売れば損が確定する」と思い、塩漬けにしてしまうケース。冷静に考えれば損切りしたほうが合理的なのに、損失を確定することを恐れて動けません。
サブスクやサービス利用
「もう使っていないけど、解約したら今まで払った分が無駄になる気がする」
本来ならサブスクを解約し今後の出費を減らすのが正解となりますが、過去の投資を取り戻したい気持ちが邪魔をします。

キャリアや転職
「今の会社を辞めたら安定を失うかもしれない」
→ もっと良い職場があっても、損を恐れる心理で挑戦できなくなってしまいます。
日常の小さな選択
「せっかく買った高い服だから着なきゃ」
「食べ放題だから、元を取るまで食べ続ける」
合理性よりも「損を避けたい気持ち」で行動してしまうのも典型例です。
僕は以前指導のために道具を購入した際「せっかく買ったのだから」と、あまり効果を実感しないまま道具の使用を続けていた結果、子供の成長を遅らせてしまったことがあります。今思えばこれも損失回避バイアスにあたりますね…。
損失回避バイアスのデメリット

成長や挑戦の機会を逃す
損失を避けるあまり、新しい挑戦をやめてしまうことで、本来得られるはずの利益や成長を手放すことになります。
例えば、
- 転職すればキャリアアップできるのに「失敗したらどうしよう」と行動できない
- 副業や投資を始めれば収入源が増えるのに「損したら怖い」と何もしない
短期的には安心ですが、長期的に見れば大きな機会損失です。
無駄な出費を続ける
「これまで払った分がもったいない」という心理で、本当は不要な支出をやめられないことがあります。
- 使っていないサブスクを放置
- 割高な保険プランを更新
- 「せっかく買ったから」と不要な商品を無理に使い続ける
結果的に未来の損失を増やし、家計を圧迫します。
僕も最近サブスクを見直しました。必要のないサブスクを放置した際の損失を実際に目にし、とても驚きました。みなさんも是非見直してみてください!

非合理的な意思決定をしてしまう
合理的に考えれば「損切りしたほうがいい」「解約したほうが得」と分かっていても、損を確定させたくない気持ちが強く、不合理な選択をしてしまいます。
投資の世界では「塩漬け株」の典型例です。これにより損失がさらに拡大するリスクがあります。
精神的な停滞とストレス
損失を恐れて行動できない状態が続くと、自己効力感(自分はやればできるという感覚)が低下します。
「自分は変われない」と思い込み、ストレスや不安を強め、場合によっては自己否定感につながることもあります。
社会や環境の変化に取り残される
現状を維持することで一時的な安心は得られますが、社会は常に変化しています。
- ITスキルを学ばなければ職場で役割を失う
- 新しい働き方に挑戦しなければキャリアが停滞する
- 変化を拒む組織は競合に置いていかれる
「損を避ける」つもりで現状に留まることは、結果的に大きな損失や不利益を生むのです。
長期的な後悔を生みやすい
心理学の研究でも、人が最も後悔するのは「やったこと」よりも「やらなかったこと」とされています。
損失回避バイアスに従って何もしないと、「あのとき挑戦していれば」と長期的に後悔するリスクが高まります。
損失回避バイアスを克服する方法

「損」ではなく「得」にフォーカスを当てる
損失回避バイアスは「損を避けたい」という思考から始まります。
そこで逆に「得られる利益」に目を向ける意識が大切です。
例:
- 「転職したら安定を失うかも」 → 「年収アップや成長の機会を得られる」
- 「投資で損したら怖い」 → 「資産を増やす可能性がある」
未来の利益を具体的にイメージすると、行動しやすくなります。
小さな実験を繰り返す
いきなり大きな決断をすると損失への恐怖が強くなります。
そこで「小さなテスト」を繰り返すことが有効です。
- 投資 → まずは少額からスタート
- 運動 → 1日5分のストレッチから始める
- 習慣 → 「1ページ読む」「1行だけ書く」など小さな行動
成功体験を積み重ねることで、「損をしても大きくない」と認識できます。
指導においても子ども一人一人に合う指導法は異なります。どの指導法が合うか日々試してみることは、子どもの成長のためにもとても重要です!
「将来の損失」を数字で可視化する
人は抽象的な未来よりも、具体的な数字を見たほうが動きやすいです。
例:
- 使っていないサブスク → 月1,000円 × 12か月 = 年間12,000円の損失
- 転職をしない → 年収が50万円上がるチャンスを逃す可能性
「行動しないことによる損」を数字で表すと、逆に行動しやすくなります。
フレーミングを変える
同じ出来事でも「損」と「得」のどちらに焦点を当てるかで感じ方は変わります。
これをフレーミング効果といいます。
例:
- 「投資で損をするかも」 → 「資産を増やすチャンスがある」
- 「ダイエットで食事制限が辛い」 → 「健康になって自信が持てる」
言葉の捉え方を変えるだけで、心理的ハードルが下がります。

過去ではなく未来を見る
損失回避バイアスは「これまで払ったお金」「今までの努力」を重視しすぎることからも生じます。
しかし重要なのは 過去ではなく未来です。
- 「これまでに払った分」は取り戻せない
- 「これから節約できる金額」に目を向ける
過去に縛られるのをやめ、未来の利益を優先する習慣を持ちましょう。
行動を仕組み化する
感情に左右されないために、ルールや環境を作ることも有効です。
- 給与から自動で積立投資を行う
- サブスクを定期的に見直す日をカレンダーに入れる
- 習慣化アプリで記録をつける
システム化すれば「やる・やらない」で迷わずに済みます。
今回の勝ち組への進捗
損失回避バイアスとは、人が「得」よりも「損」を強く恐れる心理傾向です。
- 投資やお金
- サブスクやサービス
- キャリア選択
- 日常生活
あらゆる場面で現状維持を選ばせ、結果的に損を増やす原因となります。
克服の鍵は、小さな一歩と未来の利益への意識です。
「損をしたくない」という心理を理解して向き合えば、合理的で後悔のない選択ができるようになりますよ!