こんにちは!スルースのVictory Academy、運営者の「スルース」です。

「マナー講師は害悪なのか?」という疑問を持った人は、もしかするとテレビやSNSで目にする「謎マナー」に、うざいと感じたり、若干のストレスを抱えていたりするのかもしれませんね。

なぜ、あんなに細かくて非合理的なルールが次々と生まれるのか。

ビジネスマナーという名目で炎上する「こじつけ」のような指導や、「失礼クリエイター」とまで揶揄される講師の存在、さらには職場で「マナハラ」にあたるような状況に、もうマナー自体がいらないんじゃないかと疑問に思っているかもしれません。

この記事では、なぜマナー講師が批判されるのか、その背景にある構造的な問題を一緒に解き明かしながら、私たちが本当に大切にすべきマナーの本質について考えていきたいと思います。

記事のポイント
  • マナー講師が「害悪」とまで批判される背景
  • 「失礼クリエイター」や「謎マナー」が生まれる仕組み
  • 職場で役立つ「マナハラ」への具体的な対処法
  • 私たちが本当に身につけるべきマナーの本質

※本記事は、筆者の経験や調査に基づく一般的な情報・考え方の紹介です。具体的なトラブルや体調不良などについては、所属先の相談窓口や専門家への相談も検討してください。

マナー講師が害悪だと思ってしまう心理

マナー講師が害悪だと思ってしまう心理
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まず、なぜこれほどまでに「マナー講師」に対する批判的な声が大きくなっているのか、その根本にある「違和感」の正体を探っていきましょう。この問題は単なる個人の好き嫌いを超えた、私たちの社会が直面している「変化」と深い関係があるようです。

批判されるのはなぜ?価値観のズレ

マナー講師が炎上したり、批判されたりする一番大きな原因は、「価値観のズレ」にあります。

具体的には、「形式(型)を最優先する旧来の価値観」と、「合理性・機能性を優先する現代の価値観」との深刻な衝突です。

昔は、みんなが同じような環境で働き、同じようなコミュニケーション(主に対面や電話)を取るのが当たり前でした。

そうした均一的な社会では、「型」を覚えておけば、とりあえず失敗しないというメリットがあったんだと思います。

しかし、現代ではどうでしょう。テレワークが普及し、チャットやオンライン会議が主流になるなど、働き方やコミュニケーションのあり方が劇的に多様化しました

そんな中で、昔の均一的な労働環境でしか通用しないような古い「型」(例えば、「オンライン会議では背景を白壁にしなければ失礼」といった強要)を、「これがビジネスマナーです」と一方的に押し付けられたら…。

「いや、今の状況に合ってないし、業務の効率が下がるだけでは?」と反発を感じるのは、ごく自然なことかなと思います。この「ズレ」こそが、批判の根っこにあるんです。

謎マナーや炎上、「こじつけ」の背景

SNSを見ていると、本当に「?」となるような「謎マナー」が定期的に炎上していますよね。

「とっくりのお酌は、注ぎ口から注ぐと『縁の切れ目』になるから失礼」とか、「お辞儀の角度が5度違う」とか…。

これらが「こじつけ」だと批判される背景には、メディアの特性も大きく関係しているようです。

テレビ番組などが、マナーを一種のエンターテインメントとして消費しようとして、講師の発言の「TPOによりますが」とか「これは例外的なケースですが」といった大事な前提部分をバッサリとカットして、一番過激でキャッチーな「〇〇は失礼!」という部分だけを切り取って放送する。

そうすると、本来は状況や相手との関係性によるはずのマナーが「絶対的なルール」のように見えてしまい、視聴者から「そんなのこじつけだ!」「合理的じゃない!」と総ツッコミを受ける…。

これが炎上のよくあるパターンのようです。

SNSでの「大喜利」化と既成事実化

一度メディアで切り取られたキャッチーな「謎マナー」は、SNS上で格好の餌食になります。

出典や前提が欠落したまま画像化・拡散され、さらには「失礼クリエイター元ネタ」として、事実とジョークの境界が曖昧な二次創作(一種の「大喜利」)の対象となります。

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このエンタメ化のプロセスを経て、元の発言の真偽はもはや重要ではなくなり、「マナー講師=害悪でおかしなことを言う人」という強いイメージだけが社会に定着していくんですね。

失礼クリエイターとは?なぜ生まれる?

失礼クリエイターとは?なぜ生まれる?

「失礼クリエイター」というのは、なかなか辛辣なネットスラングですが、この問題の構造を的確に表していると感じています。

これは、「それ、あなたの個人的な感想ですよね?」というレベルのものを「正しいマナー」として啓蒙したり、これまで誰も気にしていなかった(あるいは常識だった)ことを「実はあなたのその常識、失礼ですよ」と新しいルールを“発明”したりする一部の講師やメディアを皮肉った言葉です。

彼らは、社会に無用な不安と混乱を「クリエイト(創造)」し、結果として「失礼な人」を意図せず量産してしまう、というわけです。

では、なぜそんなことが起きるのか。その動機は、残念ながら「ビジネス(経済的な理由)」にありそうです

「失礼」が創造されるメカニズム

マナー講師として注目を集め、自分の講座に人を呼ぶためには、他の講師との「差別化」がどうしても必要になります。

特に新規参入者は、既存の「正しいお辞儀の仕方」だけを教えていても目立てません。

その結果、「まだ誰も言っていない新しいマナー(=新しい問題点)」を発明することが、講師やその認定団体にとっての経済的なインセンティブ(動機付け)になってしまう…。

「あなたの常識は古いですよ」「そのやり方では恥をかきますよ」と人々の不安を煽り、「最新の正しいマナー」を教える自分の講座へ誘導する。

このビジネスモデルこそが、「失礼クリエイター」を生み出す土壌になっているのかもしれませんね。

本末転倒で「うざい」と感じる理由

本末転倒で「うざい」と感じる理由

マナー指導を「うざい」と感じてしまう根本的な理由は、その「本末転倒さ」にあると思います。

本来、マナーというのは人間関係をスムーズにし、相手に敬意や思いやりを伝えるための「手段」のはずですよね。

なのに、「型」を守ること自体が「目的」になってしまい、逆に人間関係がギクシャクするという、訳の分からない事態が起きているからです。

一番分かりやすいのが、よく議論になるタクシーの「席次」問題です。

タクシーの上座、誰のため?:

多くのマナー本では「運転手の後ろが最も安全なので上座」と教えています。その知識(型)に基づき、上司をそこへ誘導しようとしたとします。

しかし、当の上司が「いや、俺はすぐ降りたいから、手前(下座)でいいよ」と言ったとします。

ここで形式主義的なマナーに固執し、「いえ、マナー違反になりますので奥へどうぞ」と強要することは、上司本人の意思を無視し、不快にさせる「失礼」な行為ですよね。

マナーに従った結果、相手に不快な思いをさせては、まさに本末転倒。こうした「マナーに則ったはずが、逆にやりづらくなった」という経験こそが、「マナー指導なんてうざい」という不信感につながっているんだと思います。

もう一つの理由は、「なぜそうするのか?」という合理的な理由を説明されず、「マナーだから」「そういう決まりだから」の一言で思考停止的にルールを強制されることへの反発です

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優れた指導なら「安全性を考慮して奥が上座とされますが、利便性を優先して手前を選ぶ方もいます」と理由や背景を説明するはずです。理由が分かれば、私たちはその場で「安全性と利便性、どちらを優先すべきか」を判断できます。しかし、理由なき暗記の強要は、ただのストレスでしかありませんよね。

「いらない」ビジネスマナー具体例

「いらない」ビジネスマナー具体例

実際、多くのビジネスパーソンが「これは無駄だ」「いらない」と感じているマナーはたくさんあるようです。

ある調査(Business Insider Japanが648人に実施)では、なんと回答者の約9割(89%)が「無駄なビジネスマナーがある」と感じているという結果も出ています。

これはもう、一部の人の感覚ではなく、社会全体のホンネに近いかもしれません。

この背景には、こんな価値観の対立があります。

  • 礼儀1.0(昭和的価値観):「いかに自分の時間を使ったか」を重視する。訪問、手書き、長時間の会議など、手間(=誠意)を尊ぶ。
  • 礼儀2.0(現代的価値観):「いかに相手の時間を使わせないか」を重視する。チャット、簡潔なメール、非同期コミュニケーションなど、合理性・効率性を尊ぶ。

現代の「謎マナー」の多くは、この時代遅れの「礼儀1.0」に基づいており、多くの人が「非効率だ」と感じながらも、慣習としてやめられない状況にあるんですね。

具体的にどんなものが「謎マナー」として挙げられているのか、同調査から分類してみました。

カテゴリ 具体的な例
過剰な取引先マナー ・炎天下でも客先訪問時はスーツとネクタイ着用 ・「座って良い」と3回勧められるまで固辞する ・「お茶は女性に出してもらったほうが美味しい」等の発言
無駄なメールマナー ・メール送信直後の「今メールを送りました」電話 ・メール宛先(To/CC)の役職順への手動並べ替え ・パスワード付きZIPファイルとパスワードの別送(PPAP)
難解な飲み会マナー ・お酌でのビール瓶ラベルの上向き固定 ・相手のグラスを空にさせない「お酌合戦」 ・帰宅中の電車内からの「お礼メール」速さ競争
非合理な社内マナー ・エレベーターの厳格な順番(結果、全員遅れる) ・「まじない」と揶揄されるタクシーや会議室の席次 ・役員が通ったら仕事の手を止めて起立・挨拶

※Business Insider Japanの調査より一部抜粋・再構成